特集 小児神経難病の臨床
5.けいれん重積型(二相性)急性脳症
奥村 彰久
1
1愛知医科大学小児科
キーワード:
けいれん重積
,
二相性
,
拡散強調像
,
bright tree appearance
,
興奮毒性
Keyword:
けいれん重積
,
二相性
,
拡散強調像
,
bright tree appearance
,
興奮毒性
pp.933-940
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000920
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けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)はわが国の小児に最も多い急性脳症である.発熱の当日または翌日にけいれん重責で発症し,いったん意識障害は改善傾向になるが第3~9病日に二相目の発作の群発と意識障害の増悪とを認める.発症後早期の頭部MRIでは異常を認めないが,二相目の発作時には拡散強調像でbright tree appearanceという特徴的な所見を認める.興奮毒性が病態に関与していると推定されている.予後は不良で,死亡することはまれだが高率に知的障害を主とする神経学的後障害を残す.確実な早期診断法や有効な治療法はいまだ不明である.
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