増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
内分泌疾患
先天性副腎過形成症
田苗 綾子
1
1国立小児病院内分泌代謝科
pp.183-185
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900899
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疾患の概略
先天性副腎皮質過形成症(CAH)は副腎のホルモン合成過程における酵素が各段階において遺伝的に欠乏しているために生ずる疾患である。酵素欠乏部位,程度などにより病型が異なるものである。すなわち,21-hydrox-ylase欠損症(21-OHD)が約90%を占め,政府のもとに1990年より,新生児マススクリーニングの一環に組み込まれ発見が容易になっている。その発症頻度は1/19,806で,中国・四国地方は約2倍の高率を示している。っいで,cholesterol desmolase欠損症(比較的日本に多いと外国学者はいう),17α-hydroxylase欠損症,3β-hydroxysteroiddehydrogenase(HSD)欠損症,11β-hydrox-ylase欠損症などの病型がある。その他の病型は極めて稀である。
21-OHDにおいては症状の程度の差で,塩喪失型と単純男性化型にわけられる。このように病型により治療が異なるのを特徴とするが,副腎ホルモン剤の投与が共通した治療法である。
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