特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
新生児マススクリーニングの検査法―もはやガスリー法ではない
PCR法を用いたスクリーニング
山田 幸子
1
YAMADA Sachiko
1
1神奈川県予防医学協会
pp.1766-1770
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002159
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はじめに
新生児マススクリーニング(newborn screening:NBS)は,1977年7月12日の厚生省児童家庭局長通知「先天性代謝異常検査等の実施について」により全国的に開始された。検査開始当初の対象疾患は5疾患,2011年以降タンデムマス法が全国で導入されるようになり,現在公費負担の対象疾患は20疾患になる。これら対象疾患に限らず,近年治療法の進歩が目覚ましい疾患が増えている。今回本稿で述べる重症複合免疫不全症(severe combined immunodeficiency:SCID),脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)の新規治療薬もその一例であり,とくに発症前治療に使用することで有効性が高まるため早期発見,早期治療が重要となる疾患である。そのため,リアルタイムPCR法で行うSCID,SMAのスクリーニング検査を新生児マススクリーニング検査時期に行うことの意義は非常に大きい。
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