特集 思春期医療に向き合う~苦手意識からの脱却
各論
健康問題 スポーツ障害
鳥居 俊
1
TORII Suguru
1
1早稲田大学スポーツ科学学術院
pp.1335-1338
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001829
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はじめに
日本の学校制度では中学校入学後に部活動に所属して活発なスポーツ活動を行うことが多く,スポーツ庁の体力・運動能力,運動習慣等調査に報告される1週間あたりの体育の授業以外の運動時間には中学生で部活動によると思われる山が観察される(図1)1)。もちろん,小学生時から野球やサッカー,水泳などのクラブチームで運動を行う児童もいるが,運動時間の分布に明らかな差が生じている。特定の競技種目の運動時間が多くなると,スポーツ動作のくり返しに伴い同じ部位に負荷が反復し慢性経過で発生するスポーツ障害が増加する。一方で,この時期は骨格発育の途上であるため骨強度が不十分であり,疲労骨折や成長軟骨層に生じる負荷による骨端症を代表とするスポーツ障害が多い時期である。
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