Japanese
English
特集 整形外科疾患における性差
スポーツ損傷における性差
Sex-difference in athletic injury
鳥居 俊
1
Suguru TORII
1
1早稲田大学,スポーツ科学学術院
キーワード:
Athletic injury
,
Sex-difference
,
Risk factor
Keyword:
Athletic injury
,
Sex-difference
,
Risk factor
pp.1559-1565
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002800
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:スポーツ損傷の発生に性差が存在することは古くから指摘されている。最近ではシステマティック・レビューも多数報告されているが,正確な性差の数値化には競技内容に性差がない競技で多数の選手を用いた競技参加時間を考慮した比較が必要である。米国では大学生と高校生を対象とした先行研究で,受傷部位,受傷内容の性差,前十字靱帯損傷や脳振盪,疲労骨折など代表的なスポーツ損傷に関する発生率の性差が報告されている。全損傷発生率は大学生では性差がないが,高校生では男性で高かった。大学生では受傷部位に性差があり,膝,下腿,足関節・足部は女性で高くなっていた。代表的な損傷の発生率として,前十字靱帯(ACL)損傷は女性で高く,脳振盪は女性で高く回復までの期間も長く,疲労骨折も女性で高かった。これらの性差の原因は身体形態,動作様式などから検討されているが,必ずしも明確になっているわけではない。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.