特集 酸塩基平衡異常―基本と管理
各論 代謝性アシドーシスの病態と治療
慢性腎臓病
原田 涼子
1
,
濱田 陸
1
HARADA Ryoko
1
,
HAMADA Riku
1
1東京都立小児総合医療センター腎臓・リウマチ膠原病科
pp.1116-1119
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001765
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はじめに
酸塩基平衡は,呼吸によるCO2分圧および腎臓での血漿重炭酸イオン(HCO3-)濃度の厳密な調節のうえに成り立っている。腎臓ではHCO3-再吸収と水素イオン(H+)排泄により血漿HCO3-濃度を調節している。腎臓によるH+の排泄方法は尿の酸性化,滴定酸の排泄,アンモニウムイオン(NH4+)の排泄の3通りである。H+を排泄するためのNH4+の生成は近位尿細管で行われる。この過程でHCO3-が生成され,血液中に吸収される。NH4+はNH3に変換されて髄質集合管のα介在細胞内に輸送され,H+と結合してNH4+として尿中に排泄される。
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