特集 観察の視点にプラスしたい 身体疾患治療薬と向精神薬の相互作用
慢性腎臓病
桂川 修一
1
1東邦大学医療センター佐倉病院メンタルヘルスクリニック
pp.66-71
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101052
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慢性腎臓病の標準的な薬物療法
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は2002年に提唱された比較的新しい考えです。慢性に進行する腎臓の疾患が多いことから、蛋白尿と腎機能の面から定義がなされ、腎臓の障害(蛋白尿など)もしくはGFR(糸球体濾過量)60mL/min/1.73m2未満の腎機能低下が3か月以上持続するものをいいます。CKDは一般に自覚症状に乏しく、蛋白尿など尿の異常から始まり、徐々に腎機能が低下して末期腎不全に移行します。GFRの低下に伴い、高血圧や貧血、高カリウム血症、カルシウム・リン代謝異常が出現するといわれています。末期の腎不全では透析治療や腎移植といった代替療法が必要となりますが、その前に生活指導、食事療法、高血圧治療などがおこなわれます。
降圧療法では、ACE阻害薬、ARBのような腎保護効果が証明されている薬剤が第一選択薬となります。脂質異常症では、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)、フィブラート系の薬物などが用いられています。
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