特集 酸塩基平衡異常―基本と管理
各論 代謝性アルカローシスの病態と治療
肥厚性幽門狭窄症
木村 有希
1
KIMURA Yuki
1
1東京都立墨東病院新生児科
pp.1120-1125
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001766
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はじめに
肥厚性幽門狭窄症(hypertrophic pyloric stenosis:HPS)は,幽門筋肥厚によって幽門管が狭小化,その結果胃内容物の十二指腸への通過障害,さらには胃の過剰収縮によって非胆汁性の噴水状嘔吐を呈する疾患である。新生児期~乳児早期に発症するが,幽門筋肥厚の原因はいまだ不明である。症状が進行すると血清クロールイオン(Cl-)の低下と,それに伴う代謝性アルカローシス,脱水を呈することがあるが,超音波検査による明確な診断基準が確立しており,適切な管理・治療を行うことで予後良好な疾患である。
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