特集 酸塩基平衡異常―基本と管理
各論 代謝性アシドーシスの病態と治療
下痢症
松村 英樹
1
MATSUMURA Hideki
1
1大阪医科薬科大学小児科
pp.1081-1084
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001757
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はじめに―体内からの電解質・酸塩基の喪失
消化管内に存在する,胃液や腸液にはさまざまな電解質が含まれている。嘔吐や下痢などでは,消化管から水・電解質・酸塩基が失われる。消化管内の分泌液の組成はさまざまだが,多くは低張な液であり,これらが失われると原理的には高張性脱水となるはずである。しかし,実際の患者で血液検査を行うと血漿は低張性であることが多い。水やお茶などの低張な組成の水分摂取や,嘔吐などによる抗利尿ホルモン分泌刺激の亢進などが,影響していると想定される。
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