増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
蘇生
低体温療法はどのような機序で奏効するのか
中藤 大輔
1
,
武内 俊樹
2
NAKATO Daisuke
1
,
TAKENOUCHI Toshiki
2
1慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
2慶應義塾大学医学部小児科学教室
キーワード:
新生児低酸素性虚血性脳症
,
低体温療法
,
脳保護療法
,
臍帯血幹細胞
,
Muse細胞
Keyword:
新生児低酸素性虚血性脳症
,
低体温療法
,
脳保護療法
,
臍帯血幹細胞
,
Muse細胞
pp.601-604
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001381
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新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する低体温療法の変遷
1990年代から,新生児低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy:HIE)に対する低体温療法の大規模臨床試験が欧米を中心に数多く行われた。そのいずれにおいても,在胎36週以降で出生し,中等症~重症のHIEに対して生後6時間以内に低体温療法を開始することで,短期~中期の予後を改善できることが示された1)。2010年に世界共通の新生児蘇生法において,低体温療法が標準治療と定められた2)。わが国でもHIEに対する低体温療法が2011年にガイドライン化され,このプロトコルに沿った低体温療法が全国に普及した3)。
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