特集 気絶するほど悩ましい―危険な失神の見分け方
【よくある失神/失神に類似する疾患】
起立性低血圧(起立性調節障害)
入江 仁
1
1京都府立医科大学総合医療・医学教育学
キーワード:
起立性低血圧
,
失神
,
高齢者
,
転倒
Keyword:
起立性低血圧
,
失神
,
高齢者
,
転倒
pp.36-38
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103082
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
患者:75歳,男性.
既往歴:高血圧症,前立腺肥大症,軽度認知症にて近医通院中.
現病歴:自宅で朝食後に失神をきたしたため救急搬送された.来院時,意識清明でバイタルサインに特記すべき異常を認めず,本人からの訴えも特になし.居合わせた家族によると,失神の際に頭部打撲などを生じた可能性は小さく,痙攣のような動きはなかったという.心電図,胸部X線,血液検査にて異常を認めず,便潜血検査も陰性だった.立位負荷をしたところふらつきと血圧低下を認めた.これまでにも同様の失神が数回あったため,入院のうえ心臓超音波検査や24時間ホルター心電図なども施行されたが,いずれも異常を認めなかった.内服薬を確認したところ,複数の降圧薬とαブロッカーが含まれており,内服薬の調整を行うことになった.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.