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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅱ.薬剤別
抗てんかん薬
Anti-seizure medication
中川 栄二
1
Eiji Nakagawa
1
1国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部,総合てんかんセンター
キーワード:
抗てんかん薬(anti-seizure medication:ASM)
,
作用機序
Keyword:
抗てんかん薬(anti-seizure medication:ASM)
,
作用機序
pp.132-137
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001197
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どのような薬か
てんかん患者の70~80%は標準的な抗てんかん薬(anti-seizure medication : ASM)治療で発作の寛解が期待できるが,従来のASMでは20~30%の患者の発作は抑えることができないといわれている。一般に1990年以降に欧米で発売されたASMを新規抗てんかん薬とよぶ。これらのASMは,①従来のASMと作用機序が異なる,②薬物相互作用が少ない,③重篤な副作用が少ないなどの特徴をもち,これらのASMを導入することでこれまで薬剤抵抗性てんかん患者においても発作が改善することが期待される。わが国でてんかん治療に用いられる薬剤は23種類をこえるが,2006年以降に承認された新規ASMが10剤以上を占めている1~7)。多くのASMは複数の作用機序を有しているが,ASMの選択は,てんかん発作型,てんかん症候群,作用機序,併存症を考慮して行うことが重要である。
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