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特集 抗菌薬ベストチョイス—その理論と実際
抗菌薬の基礎知識
Basic concept of antibiotics and chemotherapeutic agents
古谷 信彦
1
,
山口 惠三
1
Nobuhiko FURUYA
1
1東邦大学医学部微生物学
キーワード:
抗菌薬
,
作用機序
,
抗菌スペクトラム
Keyword:
抗菌薬
,
作用機序
,
抗菌スペクトラム
pp.807-814
発行日 2000年7月20日
Published Date 2000/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904145
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抗菌薬とは何らかの機序で細菌の発育を阻止し,あるいは殺菌する物質の総称である.抗菌薬は細菌に対する作用点の違いにより,細胞壁合成阻害剤,細胞膜阻害剤,蛋白合成阻害剤,核酸合成阻害剤に大別される.β—ラクタム系抗菌薬は細胞壁合成阻害剤に属し,種々の系統の薬剤があるが,ペニシリン薬とセフェム薬は群あるいは世代によって抗菌スペクトラムと抗菌力が異なる.また,モノバクタム系は好気性グラム陰性菌にしか抗菌力を示さない.蛋白合成阻害剤ではアミノグリコシド系は嫌気性菌には無効であり,マクロライド系の薬剤の多くはグラム陰性菌に対する抗菌力が弱い.このように抗菌薬の種類によって抗菌スペクトラムは大きく異なるので,それぞれの特徴を踏まえて使用しなければならない.
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