特集 子どもの検査値の判断に迷ったら
13章 薬物血中濃度モニタリング(TDM)
2.抗てんかん薬
中川 栄二
1
1国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科,てんかん診療部
キーワード:
抗てんかん発作薬
,
ASM
,
薬物血中濃度モニタリング
,
TDM
,
底値
,
トラフ値
,
有効血中濃度
Keyword:
抗てんかん発作薬
,
ASM
,
薬物血中濃度モニタリング
,
TDM
,
底値
,
トラフ値
,
有効血中濃度
pp.1697-1700
発行日 2023年12月20日
Published Date 2023/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002882
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薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)はてんかん診療の臨床状況で最も有用であることがわかっている.TDMが有用である臨床状況には,適切な用量にもかかわらず治療効果がない,低用量にもかかわらず副作用がある,妊娠,肝臓または腎臓病,微生物感染,薬物相互作用の疑いがある場合に有用である.臨床的理由のない日常的なTDMの漫然とした測定の意義は低く医療資源の無駄につながる.旧世代の抗てんかん発作薬(anti-seizure medication:ASM)の多くは,線形薬物動態を示し,その用量は血清濃度に比例して相関する.最近の新規ASMについては長期間の臨床データが不足しているため,長年の臨床経験と日常的な測定が経過するまで利用できず,実験室や科学出版物で使用される参照範囲とは異なる場合がある1)~3).
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