特集 小児科医ができるアドボカシー活動~こどものこえを社会のこえにするために小児科医ができること~
総論
米国小児科学会のアドボカシー活動
伊藤 健太
1
ITO Kenta
1
1あいち小児保健医療総合センター総合診療科
pp.1560-1564
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001135
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はじめに
日本小児科学会(JPS)が定める「小児科医の到達目標―小児科専門医の教育目標―(令和2年4月1日改訂7版)」では,「小児科専門医の医師像」を,「子どもの総合診療医」,「育児・健康支援者」,「子どもの代弁者」,「学識・研究者」,「医療のプロフェッショナル」の5つの視点をもとに小児科専門医研修における到達目標を設定している。このなかでアドヴォカシー(advocacy)の説明として「小児科医は,子どもに関わる医療上の問題の解決に責任を負うと同時に,小児疾患に関わる社会的な問題について子どもの代弁者(advocate)としてその解決にあたることが求められる。小児科専門研修においてはアドヴォカシーの実際を経験し,自らアドヴォカシーの対象を探究するとともに,その実現のための方策を考える」とあり,目標として
・子どもに関する社会的な問題を認識できる
・子どもや家族の代弁者として問題解決にあたることができる
の2つが挙げられている。しかし,小児科専門医指導医にあたる筆者自身,これらアドヴォカシーに関する指導を受けた記憶はなく,指導方法も皆目見当がつかない状態であった。
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