特集 腎・泌尿器疾患―血尿から移植まで
腎・泌尿器疾患診療の進歩
非典型溶血性尿毒症症候群
澤井 俊宏
1
,
井藤 奈央子
2
SAWAI Toshihiro
1
,
ITO Naoko
2
1滋賀医科大学小児科
2東京女子医科大学病理診断学分野
pp.1163-1168
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001013
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疾患の概要と病因・病態
非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)とは,血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)を呈するまれな疾患である。aHUSにおけるTMAの機序は,補体第二経路の過剰活性化が原因である。全身の細血管で内皮細胞障害が生じ,狭小化した血管で血小板血栓が形成される。同部位を通過する赤血球がずり応力によって破壊され,破砕赤血球となり非免疫性の溶血性貧血を呈する。血栓症による灌流障害が急性腎障害などの臓器障害を惹起する1)。
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