特集 分子標的薬を極める
各論
腎疾患 非典型溶血性尿毒症症候群
田中 一樹
1
TANAKA Kazuki
1
1あいち小児保健医療総合センター腎臓科
pp.283-287
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000775
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はじめに
補体の活性化経路として古典的経路,レクチン経路,第二経路の3つが存在するが非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)は,その一つである第二経路の過剰な活性化に起因する疾患である。aHUSは補体制御因子の先天的あるいは後天的異常により,補体の第二経路の制御不能な活性化が生じて微小血管症性溶血性貧血,消費性血小板減少,臓器機能障害の3徴候をきたす血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)を発症し,長期的には末期腎不全にいたる予後不良な希少疾患である。
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