症例
プロプラノロールによる診断的治療が奏効した新生児期の舌背部乳児血管腫
栢木 大誓
1
,
大封 智雄
1
,
中森 いづみ
1
,
大植 啓史
1
,
出口 由依
1
,
吉村 望希
1
,
末廣 穣
1
,
石塚 潤
1
,
赤杉 和宏
1
,
田中 孝之
1
,
美馬 隆宏
1
,
樋口 嘉久
1
KAYAKI Taisei
1
,
DAIFU Tomoo
1
,
NAKAMORI Izumi
1
,
OHUE Hiroshi
1
,
DEGUCHI Yui
1
,
YOSHIMURA Miki
1
,
SUEHIRO Minoru
1
,
ISHIZUKA Jun
1
,
AKASUGI Kazuhiro
1
,
TANAKA Takayuki
1
,
MIMA Takahiro
1
,
HIGUCHI Yoshihisa
1
1日本赤十字社大津赤十字病院小児科
pp.461-464
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000818
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はじめに
乳児血管腫(infantile hemangioma)は生後早期に発生する良性腫瘍である。出生時には存在しないか小さな前駆病変のみのものが,生後2週間程度で顕在化し,1歳半ごろまで増大する時期を経て自然退縮する特徴的な一連の自然歴をもつ。一般的に皮膚病変に関しては経過と視診にて診断がつくことが多いが,口腔内病変や皮下病変では,ある程度増大するか,哺乳不良や呼吸障害,血管腫からの出血がないかぎり気づかれにくいことがある。また,口腔内病変において,腫瘤の増大による哺乳不良や気道狭窄などが問題となる例では早期の治療介入が必要となるが,新生児期に症状を呈する場合は経過が短いため他疾患の除外が困難であり,治療方針に難渋することが多い。
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