特集 分子標的薬を極める
各論
膠原病・自己炎症症候群 血管炎症候群(川崎病,高安動脈炎,ANCA関連血管炎など)
森 雅亮
1
MORI Masaaki
1
1聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
pp.213-216
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000762
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はじめに
血管炎症候群とは,血管炎を基盤としてもたらされる多種多様の臨床病態および疾患群で,希少疾患で病因が不明であり,特異的な臨床マーカーが少ないという特徴をもつ。このため,成人領域では診断が困難であり治療にも難渋するが,小児領域においても未だ全容が明らかになっていない。血管炎症候群の治療は投薬を継続することで寛解を目指す。血管炎症候群の治療は,寛解導入療法と寛解維持療法に大別され,寛解導入療法では強力な治療により炎症状態を鎮静化し,寛解維持療法では副作用の出現を抑制するような最低限の治療を行うことを目標とする。血管炎症候群で用いられる治療薬には,副腎皮質ステロイド薬(グルココルチコイド:GC),免疫抑制薬がこれまで使用されてきたが,生物学的製剤を主とした分子標的薬が難治性病態の打開に効果的であることは最近の知見から明らかである。
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