Japanese
English
特集 補体と腎疾患:温故知新
腎疾患における補体と病態生理
ANCA関連血管炎
ANCA associated vasculitis
有村 義宏
1,2
ARIMURA Yoshihiro
1,2
1吉祥寺あさひ病院内科
2杏林大学医学部腎臓・リウマチ膠原病内科学教室
キーワード:
ANCA
,
補体活性化
,
第二経路
,
古典経路
,
好中球活性化
,
選択的C5a受容体拮抗薬
Keyword:
ANCA
,
補体活性化
,
第二経路
,
古典経路
,
好中球活性化
,
選択的C5a受容体拮抗薬
pp.88-93
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001398
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はじめに
免疫システムは,補体,好中球を含む食細胞など非特異的に反応する自然免疫系と,T細胞,B細胞,抗体など特異的に反応する獲得免疫系で構成され,互いに連携し,侵入してきた微生物などの非自己を攻撃し排除する生体防御機構である1,2)。ところが,ときに免疫システムは制御困難に陥り,自己成分を非自己と認識し,自己を傷害する方向に働き,自己免疫疾患を発症させる。自己抗体である抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が産生されるANCA関連血管炎(ANCA associated vasculitis:AAV)では,病態にANCA,好中球,補体系が関与し,自己組織である血管内皮を傷害すると推測されている。本稿では,まず補体について述べ,次にAAVの病態における補体の関与について概説する。
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