特集 完全把握をめざす小児の心疾患
後天性心疾患
血管炎症候群―高安動脈炎・ANCA関連血管炎など
齋木 宏文
1
,
遠藤 幹也
2
SAIKI Hirofumi
1
,
ENDO Mikiya
2
1岩手医科大学小児科学講座小児循環器分野
2岩手医科大学小児科学講座血液腫瘍・免疫分野
pp.678-682
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001637
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疾患概念
血管炎症候群は血管壁の炎症をきたす疾患群の総称であり,炎症の中心となる血管のサイズ(大型・中型・小型),局在(臓器特異性・全身疾患に関連)によって分類される(図1)。小児で散見される代表的な血管炎として大型血管炎では高安動脈炎,中型血管炎では川崎病,小型血管炎ではANCA関連血管炎やIgA血管炎が挙げられる。また多様な血管サイズに炎症をきたす疾患としてベーチェット病,膠原病など,全身疾患に関連した血管炎としてループス血管炎なども考慮する必要がある。大型または中型血管炎は血管狭窄や拡張性病変をきたし,中枢神経や冠動脈の虚血所見を呈する。また小型血管炎は主に腎障害として発症するが,中型動脈にも病変をきたす可能性があるほか,大型・中型血管炎同様に高血圧をきたすことがある。小児の中型血管炎の代表的疾患である川崎病は他稿に譲る。
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