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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
13.不安症,強迫症
Anxiety disorders, obsessive-compulsive disorder(OCD)
岡田 あゆみ
1,2
OKADA Ayumi
1,2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域
2岡山大学病院小児心身医療科
pp.753-757
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000646
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1 基本病因,発症機序
何らかの素因(漸弱性)に,後天的な環境要因が誘発因子となって影響を与え,個人の臨床閾値を超えると発症する。また,危険因子と保護因子の有無によってその重症度や経過が異なる。不安症は,家族集積性を認め,遺伝率注30~40%の多因子遺伝を示し,小児期~青年期では5~18%に発症するこの時期にもっとも多い精神疾患である1)。一般人口では女性に多い(男女比約1:2)が,小児期では頻度に性差はない2)。強迫症(obsessive-compulsive disorder:OCD)の生涯有病率は1~3%で,その80%は小児期~青年期に発症している1)。小児期では男性が多いが,成人期はやや女性が多い2)。
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