特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
空気嚥下症(呑気症),機能性嘔吐症(心因性嘔吐症)
岡田 あゆみ
1,2
OKADA Ayumi
1,2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域
2岡山大学病院小児心身医療科
pp.999-1002
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000966
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はじめに
機能性消化管障害(FGID)の診断基準であるRome分類は,2016年にRome Ⅳが採択された。Rome Ⅲ基準では「器質的疾患が除外されたとき」のみ診断されていたが,「適正な検索でも症状を十分に証明するほかの医学的状況がない」場合に診断しうると変更された。よって,より問診や診察所見が重要になるとともに器質的疾患の合併に注意喚起されている。小児・青年期FGIDでは,H1機能性悪心・嘔吐疾患(Functional nausea and vomiting disorders)として表1の疾患がある1)。gut-brain interaction(腸脳相関)の言葉どおり,器質的疾患か機能的疾患かという二元論ではなく,心理社会的ストレスやこれへの対処行動,不安や抑うつなどさまざまな要因が関与することを理解して対応する必要がある。
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