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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
7.自閉スペクトラム症
Autism spectrum disorder
神尾 陽子
1
KAMIO Yoko
1
1医療法人社団神尾陽子記念会発達障害クリニック
pp.723-728
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000640
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1 基本病因,発症機序
自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)は,自閉症やAsperger症候群などのサブタイプを1つの連続体(スペクトラム)上にあるものととらえ,それらを統合した大きな診断カテゴリーである。正式には,米国精神医学会の診断分類体系Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed(DSM-5;2013年)で初めて採用され,2022年に発行した世界保健機関(World Health Organization:WHO)のInternational Classification of Diseases 11th Revision(ICD-11)においても同名で採用された。もとはLeo Kanner(1943年)の幼児症例の報告に遡るが,今日では,ライフコースを通して持続する脳の非定型発達を基盤として,知覚,認知,注意,情緒,行動,対人関係など広範な領域における発達に影響を与え,社会生活にさまざまな程度の差はあるものの,支障をきたす病態と考えられている。
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