Japanese
English
特集 性差と精神医学—なぜ頻度や重症度に差があるのか
性差と自閉スペクトラム症
Sex Difference and Autism Spectrum Disorder
山末 英典
1
Hidenori Yamasue
1
1浜松医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Hamamatsu University School of Medicine, Shizuoka, Japan
キーワード:
社会脳
,
social brain
,
共感
,
empathy
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
ASD
,
オキシトシン
,
oxytocin
,
性差
,
sexual dimorphism
Keyword:
社会脳
,
social brain
,
共感
,
empathy
,
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
ASD
,
オキシトシン
,
oxytocin
,
性差
,
sexual dimorphism
pp.45-50
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207169
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抄録
社会的コミュニケーションの困難を中核症状とする自閉スペクトラム症(ASD)は,その疫学的頻度に最も顕著な男女差を示す医学的診断の1つである。社会行動の促進,男女差,ASDのいずれにも関与する物質にオキシトシンがあり,ASDの病態・病因解明や治療法開発の鍵となりうる物質として注目されている。筆者らは,オキシトシン投与で社会的コミュニケーションの障害やその脳基盤に治療効果がもたらされることを予測し,ASDの中核症状に対する初の治療薬の開発を試みてきた。その成果から,ASDあるいは神経性やせ症のように性差が顕著な病態については,性差に着目した考察から病態解明や治療薬開発のブレイクスルーが生まれる可能性に着目するべきだと考えている。
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