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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅳ.筋疾患
14.重症筋無力症
Myasthenia gravis
稲葉 雄二
1
INABA Yuji
1
1長野県立こども病院神経小児科
pp.541-547
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000608
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1 基本病因,発症機序
重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)は,骨格筋の神経筋接合部の分子を標的とする自己免疫疾患で,刺激伝達の障害によって筋力低下,易疲労性をきたす。標的抗原としては運動終板のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)がもっとも多く,わが国の成人患者血清中80~85%で抗AChR抗体を検出する。2001年に第2の自己抗体として筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)に対する抗体が発見された。LDL受容体関連蛋白質4(LDL receptor-related protein 4:Lrp4)抗体については,現時点では特異性の点からMGにおける病原性は断定されていない。
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