今月の主題 内科最近の話題
神経・筋疾患
重症筋無力症をめぐって
宇尾野 公義
1
1都立府中病院
pp.462-463
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204692
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重症筋無力症は一般に眼症状(眼瞼下垂,複視,兎眼など)で初発し,球筋(嚥下,咀噛,言語)障害,さらに全身骨格筋力低下をきたし,反復運動により悪化し,休息により一時的に回復する疾患で,朝は良く午後から夕方に悪いなど日内変動がある.初期にはtensilonまたはvagostigmine注射で脱力は改善される.筋電図では特有なwaning現象がみられる.胸腺腫の合併は高頻度で,その他甲状腺機能異常,筋萎縮を伴うが,錐体路症状や知覚障害はない.時に呼吸障害を主とした急性増悪(crisis)をきたすことがあり,緊急処置が重要である.
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