Japanese
English
神経眼科アトラス11
重症筋無力症
Myasthenia Gravis
向野 和雄
1
,
石川 哲
1
Kazuo Mukuno
1
,
Satoshi Ishikawa
1
1北里大学医学部眼科
1Department of Ophthalmology, School of Medicine, Kitasato University
pp.258-262
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203070
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重症筋無力症(M.G.と略)と思われる症例の記載はすでに1672年Thomas Wiilisによりなされておりその臨床症状は横紋筋の易疲労性をその特徴とするが,なかでも眼症状(眼瞼下垂,眼球運動障害,複視など)は初発症状のほぼ半数を占め,さらに経過中に90%以上に眼症状が出現するなど眼症状の把握は重要なものである。眼球運動障害統計1)(山崎,石川)では総数687例中121例(18%)を占める多い疾患である。この疾患の本態に関しては抗コリンエステラーゼ剤に特異的に反応するという薬理学的特徴より神経筋接合部の病変と考えられているが,presynaptic,postsynapticいずれをも示唆する生理薬理学的,形態学的知見が得られておりその本態は依然不明である。さらに胸線異常を代表とする自己免疫疾患として捉える考えもあり今後多くの問題が残されている。以下主として眼症状より見た,M.G.の病態を説明する。
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