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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
31.糖原病―肝型糖原病を中心に
Liver glycogen storage disease
福田 冬季子
1
FUKUDA Tokiko
1
1浜松医科大学浜松成育医療学
pp.203-209
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000545
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1 基本病因,発症機序
糖原病はグリコーゲン代謝経路(図)の酵素やトランスポーターの異常によりグリコーゲンの合成と分解の障害が引き起こされる先天代謝異常症である。肝が罹患する糖原病(肝筋型を含む)には,0a型,Ⅰ型,Ⅲ型,Ⅳ型,Ⅵ型,Ⅸ型糖原病があり,表に示す遺伝子の異常により発症する。糖原病I型はグルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)機構の障害,糖原病Ⅲ型はトランスフェラーゼ活性(4-α-グルカントランスフェラーゼ)とグルコシダーゼ活性(アミロ-α-1,6-グルコシダーゼ)を有するグリコーゲン脱分枝酵素欠損,糖原病Ⅳ型はグリコーゲン分枝鎖酵素欠損,糖原病Ⅵ型は肝グリコーゲンホスホリラーゼ欠損,糖原病Ⅸ型はホスホリラーゼキナーゼ(PhK)欠損,糖原病0a型は肝グリコーゲン合成酵素欠損により発症する1)。
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