技術解説
糖原病の糖原染色性
栗田 安子
1
,
岩政 輝男
2
1熊大病理第2講座
2現:下関市立中央病院研究部
pp.139-144
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908866
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糖原病(Glycogen storage Disease)の診断には,臨床医学的諸検査ならびに生化学的な検索が必要なことは言うまでもないが,一方,生検で得られた組織および剖検例の組織形態学的検討も,病型,病態の診断上重要であり4),組織学的検索を行うに際しては,まず第1に組織細胞内に蓄積した糖原を確実に証明することが当然要求される.しかしながら糖原病には種種の型の酵素欠損症があり,蓄積する糖原構造も正常なものや構造に異常のあるものがある.蓄積糖原の構造に異常のあるものとしては,Ⅲ型およびIV型の糖原病が知られている.このⅢ型においては,アミロ-1,6-グルコシダーゼの先天的欠損のため蓄積する糖原は,リミットデキストリン構造を呈し,Ⅳ型では,アミロ-1,4-1,6-トランスグルコシダーゼ欠損のためアミロペクチン様構造を示す.そこで,このⅢ型,Ⅳ型ならびに蓄積糖原が正常構造を有するⅠ型糖原病について,糖原の染色性を検討した.
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