特集 “思春期内科”―大人でも子どもでもない患者を診る
[Chapter 2] 思春期に発症しうる疾患
糖原病
福田 冬季子
1
1浜松医科大学 浜松成育医療学講座
キーワード:
糖原病Ⅰ型
,
肝細胞腺腫
,
コーンスターチ療法
,
McArdle病
Keyword:
糖原病Ⅰ型
,
肝細胞腺腫
,
コーンスターチ療法
,
McArdle病
pp.428-430
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_428
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▪糖原病には,予後良好で思春期以降にはほぼ無症状となる疾患(糖原病Ⅵ型とⅨ型では多くの症例で症状が改善する)もあるが,糖原病Ⅰ型やⅢ型では思春期以降にも,小児期からの低血糖ほかの代謝コントロールに対する食事療法や薬物療法を継続する必要があると同時に,新たに長期合併症への対応が必要となる.
▪思春期にかけて治療管理の主体が親から患者自身に移り,代謝コントロールが悪化する症例があるため,注意が必要である.
▪思春期以降,糖原病Ⅰ型では肝腫瘍,腎障害が高率に出現するため,多くの診療科の連携が必要である.
▪糖原病Ⅴ型では運動誘発性の筋症状が主症状であるが,年齢が長じるに従い,固定性の筋力低下がみられることが多い.
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