今月の主題 内科疾患としての先天性代謝異常
知っておきたいその他の代謝異常
糖原病
葛谷 健
1
1自治医大内分泌代謝科
pp.949-951
発行日 1976年7月10日
Published Date 1976/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206647
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糖原病とグリコーゲン代謝
糖原病glycogen storage diseaseは,グリコーゲン分解系または合成系酵素の先天的異常により,グリコーゲンが肝,筋その他の組織に異常に蓄積する疾患の総称であり,欠損する酵素の種類により,いくつもの型が区別されている1,2,3).
グリコーゲンの合成・分解の大略は図に示す.ブドウ糖はATPとhexokinaseの存在下でglucose-6-phosphate(G-6-P)となり,これはphosphoglucomutaseの作用を受けてglucose-1-phosphate(G-1-P)となる.G-1-PはUDP-glucosepyrophosphorylaseの作用でUDP-glucose(UDPG)となり,UDPGのglucosyl基がグリコーゲン合成酵素の作用によって,既にあるグリコーゲン分子の外側枝に1-4結合で付加されて,外側枝は延長する.7〜21個の1,4結合が生ずると,amylo1,4→1,6-transglucosidase(brancher酵素)の作用を受けて1,6結合が生じ,こうしてできた枝分かれから再び1,4結合によって外側枝が延長し,樹枝状のグリコーゲン分子が成長する。
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