特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
膠原病・リウマチ性疾患・自己炎症性疾患 家族性地中海熱
宮前 多佳子
1
MIYAMAE Takako
1
1東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センター小児リウマチ科
pp.1609-1613
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000403
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
自己炎症性疾患〔autoinflammatory diseases,自己炎症症候群(autoinflammatory syndrome)とも呼称する〕は1999年にKastnerらにより提唱された疾患群である1)。その病態は主に自然免疫系の病原体関連物質受容体であるパターン認識受容体および,その関連遺伝子の異常が自然免疫の活性化を誘導する。本来,細菌やウイルスなどの感染病原体や沈着した免疫複合体に対する生体の第一応答としての炎症が,ほかに依存せず,「自己内で」発生することで成立する。これは,自己免疫性疾患が獲得免疫系の異常によって,自己抗体・自己反応性T細胞が病態を形成するのと対比的である。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.