特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
膠原病・リウマチ性疾患・自己炎症性疾患 若年成人期における若年性皮膚筋炎の病像と臓器障害
秋岡 親司
1
AKIOKA Shinji
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科小児科学
pp.1605-1608
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000402
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はじめに
若年性皮膚筋炎(juvenile dermatomyositis:JDM)は,主に皮膚と筋を侵す18歳未満に発症する慢性炎症性疾患である。多発筋炎/皮膚筋炎の小児期発症例と捉えられやすいが,筋炎特異的自己抗体(myositis-specific autoantibody:MSA)の構成には大きな差異がある。JDMでは,多発筋炎/皮膚筋炎の原型である抗ARS抗体陽性例がきわめてまれである一方,抗MDA5抗体,抗TIF-1γ抗体あるいは抗NXP-2抗体の陽性例で全患者の約9割を占める。また,多発筋炎/皮膚筋炎で高率に合併し,病因論的に関与が疑われる悪性腫瘍がJDMでは皆無であることも決定的な相違である。共通の病態はあるものの,成人したJDM患者を多発筋炎/皮膚筋炎として管理することは難しい。
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