特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
各専門領域における小児期発症慢性疾患の成人移行支援の取り組みの現状
腎疾患
中西 浩一
1
NAKANISHI Koichi
1
1琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)講座
pp.1476-1478
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000373
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はじめに
昨今,移行期医療の重要性は広く認識され,その確実な実践が求められている。2014年には日本小児科学会から「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言」が発表され1),そのなかで移行に関する医療の考え方として,病態の変化と人格の成熟に伴い小児期医療から成人期医療へ移行する間で,これら2つの医療の担い手がシームレスな医療を提供することが期待され,患者の人格の成熟に対応して患者-保護者-医療者関係の変容をもたらし,個人の疾患などの特性に合わせた医療システムが選択されるべきであると述べられている。もとより,移行期医療はさまざまな疾患領域において重要であることはいうまでもないが,本稿では腎疾患における移行期医療の重要性を示唆する実例を提示し,日本小児腎臓病学会の関与する取り組みについて記載する。皆様の参考になれば幸いである。
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