特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
各専門領域における小児期発症慢性疾患の成人移行支援の取り組みの現状
先天性心疾患
落合 亮太
1
OCHIAI Ryota
1
1横浜市立大学医学部看護学科
pp.1479-1481
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000374
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先天性心疾患領域における成人移行支援の取り組み
1.カウンターパートとしての日本成人先天性心疾患学会
先天性心疾患領域における成人移行支援の特徴の一つが,成人期医療のカウンターパートとなる日本成人先天性心疾患学会の存在である。同学会の前身である成人先天性心疾患研究会は,1999年に第1回の研究発表会を開催し,2010年に学会に移行した。また,同学会は2019年には,成人先天性心疾患を診療する医師の適正化や質の担保などを目的として,日本成人先天性心疾患学会認定専門医(成人先天性心疾患専門医)制度を開始した。同制度では専門医と総合・連携修練施設を認定し,一覧を公開している。成人先天性心疾患専門医は循環器専門医,小児循環器専門医,心臓血管外科専門医のいずれかの専門医を有する者が対象となる。小児循環器専門医や日本小児循環器学会専門医修練施設が,成人先天性心疾患専門医や同修練施設と連携することで,患者の小児医療から成人期医療への移行(transfer)が円滑に進む。
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