特集 発達障害への多様な支援~あれが知りたい・これも知りたい~
発達障害の概要
発達障害の有病率の変遷について
鷲見 聡
1
SUMI Satoshi
1
1金城学院大学看護学部医療関連研究開発部門
pp.1076-1080
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000264
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はじめに
近年,発達障害に対する関心が高まるとともに,その有病率の著しい増加が国内外で報告されている。有病率とは一定の人口のなかである病気に罹患している人の比率であり,医療や支援を効果的に行うには,この有病率が重要である。なぜなら,1万人に1人のまれな病気(あるいは障害)と,10人に1人のありふれた病気では支援の方法が大きく異なるためである。しかし,正確な有病率を算出するためにはいくつかの難しい点がある。たとえば,大きな集団を調べるときには把握漏れが生じやすい。調査方法にはさまざまな手法があるため,必ずしも統一された方法とは限らない。また,診断基準に変更がある場合には年代間の比較検討が難しい。しかしながら,これまでに実施された数多くの調査を重ね合わせると,発達障害の有病率の変遷の全体像が見えてくる。
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