特集 症例から学ぶミトコンドリア病
研究の最前線と新しい治療法
タウリン療法
砂田 芳秀
1
SUNADA Yoshihide
1
1川崎医科大学神経内科学
pp.649-653
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000134
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はじめに
タウリン(2-アミノエチルスルホン酸)はウシの胆汁中から発見された含硫アミノ酸誘導体で,蛋白質の構成アミノ酸ではないが,遊離状態で生体内に豊富に存在(体重の0.1%)している。その生理機能は,胆汁酸の抱合,浸透圧調節作用,抗酸化作用,神経伝達物質様作用など多岐にわたる。栄養ドリンクの成分として知られているが,高ビリルビン血症における肝機能の改善,うっ血性心不全の適応をもつ医薬品であった。近年,医師主導治験を経たドラッグリポジショニングによりミトコンドリア脳筋症MELASの治療薬として薬事承認された。
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