特集 症例から学ぶミトコンドリア病
総論
ミトコンドリアDNA変異と遺伝子診断の実際
八塚 由紀子
1
,
岡﨑 康司
1
YATSUKA Yukiko
1
,
OKAZAKI Yasushi
1
1順天堂大学 難治性疾患診断・治療学/難病の診断と治療研究センター
pp.559-562
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000116
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はじめに
ミトコンドリア病はわが国では出生人口5000人に1人の割合で発症するとされ1),先天性代謝異常のなかでもっとも頻度の高い疾患である。本疾患の発症には核にコードされたおよそ400個のミトコンドリア病原因遺伝子2,3)とミトコンドリアDNA(mtDNA)にコードされたミトコンドリア遺伝子の両方がかかわっている。ミトコンドリア病は多数の原因遺伝子をもち,あらゆる遺伝形式をとりうる非常に複雑な遺伝子疾患である。遺伝子診断により各症例の病態を理解し,予後予測の一助とすることが可能となり4~6),遺伝子診断の臨床的意義が増している。
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