今月の主題 ミトコンドリア病
話題
心不全とミトコンドリアDNA
井手 友美
1
,
筒井 裕之
2
Tomomi IDE
1
,
Hiroyuki TSUTSUI
2
1九州大学大学院医学研究院循環器内科学
2北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学
キーワード:
心不全
,
酸化ストレス
,
スーパーオキサイド
,
ミトコンドリア呼吸鎖
Keyword:
心不全
,
酸化ストレス
,
スーパーオキサイド
,
ミトコンドリア呼吸鎖
pp.78-81
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100195
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1. はじめに
ミトコンドリアは,エネルギー代謝を行う細胞内小器官である.そして,心筋細胞は,その個体が生命として活動している限り,休むことなく弛緩と収縮を繰り返し,常に多くのATPを必要とするため,ミトコンドリアを多く含んでいる.近年,ミトコンドリアDNAの異常によって,心臓がポンプ機能を障害される病態,すなわち心不全においても,その病態形成,進展に,スーパーオキサイド(O2-)やハイドロキシラジカル(OH・)などの酸素ラジカルによるミトコンドリア機能不全が関与していることが明らかとなり,さらに病態形成においてミトコンドリアDNAが重要な役割を果たしていると考えられる.本稿では,ROSを介して,心不全におけるミトコンドリアDNAの病態への関与について,概説する.
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