特集 症例から学ぶミトコンドリア病
総論
遺伝カウンセリングと出生前診断
春山 瑳依子
1,2
,
和田 敬仁
3,4
HARUYAMA Sayoko
1,2
,
WADA Takahito
3,4
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療倫理学・遺伝医療学分野
2滋賀県立小児保健医療センター耳鼻咽喉科・遺伝科
3京都大学大学院医学研究科ゲノム医療学講座
4京都大学医学部附属病院遺伝子診療部
pp.563-569
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000117
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はじめに
ミトコンドリア病は,ミトコンドリア呼吸鎖の機能障害によって多様な症状がひき起こされる遺伝性疾患群である。ミトコンドリア病に含まれる疾患の多くは,複数の臓器・器官に多彩な症状を呈し,発症年齢もさまざまである。ミトコンドリア病の病因は核DNA変異とミトコンドリアDNA(mtDNA)変異に分けられ,遺伝子変異の種類も多い。とくにmtDNA変異はその特徴から発症との関連が確定できないことも多く,慎重な遺伝カウンセリングの実施が望まれる。
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