特集 周産期の感染症対策
各論:妊娠中の母子免疫ワクチン
RSウイルス
山中 美智子
1
YAMANAKA Michiko
1
1聖路加国際病院女性総合診療部/遺伝診療センター
pp.152-156
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002593
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はじめに
RSウイルスという名称は,感染した培養細胞が多核巨細胞(合胞体;syncytium)を形成することから,「respiratory(呼吸器の)syncytial(合胞体性)」の頭文字に由来する。RSウイルス感染症は,RSウイルスに感染することによって起こる呼吸器の感染症である。軽い風邪のような症状から重い肺炎の症状までさまざまである。ウイルス性の風邪の主な原因の一つであり,幅広い年齢層で感染するといわれている。基礎疾患を有する小児や,生後6か月以内の乳児,慢性呼吸器疾患などの基礎疾患を有する高齢者は重症化しやすいため,感染に特に注意が必要である。特に重症化リスクが高い因子をもつ新生児・乳幼児には抗体製剤が投与されてきたが,生後6か月未満の新生児・乳児全般への効果的な予防策として,妊婦に接種する母子免疫ワクチンが2024年5月31日に発売され,全国で接種が始まっている。

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