特集 周産期における生命倫理を考える
着床前遺伝学的検査
遺伝性腫瘍についてのPGT-Mについての課題 遺伝性腫瘍の当事者からみたPGT-Mの課題と展望
土井 悟
1
DOI Satoru
1
1ハーモニー・ライン
pp.75-77
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002568
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はじめに
私は家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)という遺伝性疾患を母から受け継いだ。母は1980年12月に診断を受けたが,手遅れのため1981年3月にあっけなく天国へ旅立った。このとき,母の主治医に「私が救えるのはあなた方兄弟です」といわれ,遺伝することを知った。母親似の弟が発症すると考えていたところ,父親似の私が発症した。診断を受けたとき,恐怖と絶望に押しつぶされそうになった。当時,私の子どもは小学3年生ぐらいで,子どもへ遺伝することを考えるととても苦しかった。親がうろたえていては,子どもが発症したとき病気に立ちむかえないと考え,必死に乗り越えた。

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