特集 周産期メンタルヘルス:最新事情
各論:産科編
出生前診断を受けた妊婦と家族の支援
永井 立平
1
NAGAI Ryuhei
1
1高知大学産科婦人科
pp.842-846
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002220
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はじめに
出生前診断は技術の進歩により身近なものとなり,ほとんどすべての妊婦がその対象となる時代に入っている1,2)。しかし,検査によって得られる情報の意味をどう捉え,どのように活かすかは一律ではなく,そこに関わる人々の人生や背景,価値観によって多様な選択肢と葛藤が生まれる。出生前診断を受ける妊婦や家族には,それぞれの物語があり3,4),その物語は唯一無二である。医学的知見のみで語ることのできない,複雑で繊細な感情や価値判断がそこに存在する。

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