今月のニュース診断
出生前検査と裁判—胎児と妊婦の“ふるい分け”検査を考える:その2
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部(法哲学・生命倫理)
pp.190-191
発行日 1999年3月25日
Published Date 1999/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902123
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専門委ヒアリング
厚生科学審議会出生前診断専門委員会は,先に公開した「母体血清マーカー検査に関する見解(案)」について,日本ダウン症協会と2つの臨床検査会社(イデニクス・カンパニー,エスアールエル)に意見聴取を行なった(「母体血清マーカー検査めぐり公開ヒアリング」朝日新聞1月20日)。
日本ダウン症協会は,(見解案が)「検査の危険性をマススクリーニングの問題としてとらえていること」「検査を積極的に知らせる必要はない」としたことを評価しつつ,「仮に検査への歯止めの意味でガイドラインが作成されても,現実には実施のお墨付きとして機能することが十分に危惧される」「胎児の中絶を希望する妊婦に対して(中略),いわゆる胎児条項の設定を求める声が起きた場合にどうするのか」と,専門委と厚生省の見解を質した。
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