特集 出生前診断と助産婦
出生前診断を受けた妊婦と家族に助産婦ができること
砥石 和子
1
1杏林大学医学部附属病総合周産期母子医療センター
pp.392-396
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902166
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はじめに
3年程前,私は友人のKさんから,羊水検査に関する相談を受けた。内容は次のようなものであった。「3人目を妊娠したけれど,もう子供は欲しくなかったので,流産しないかと思って縄飛びをしたり,ずいぶん無茶をしたの。でも,産むことにしたら急に赤ちゃんが大丈夫か心配になって……。年齢も35歳を過ぎているし,それで羊水の検査を受けようと思って,電話をしたの。ねえ,その検査ってどんな検査なの」。
私はKさんの産む意思を再度確認し,検査の方法や何が診断できるのか,検査のリスクなど一般的なことを説明し,最後に自費で8〜10万円かかることを話した。それを聞いたKさんは,「えっ,そんなにかかるの?じゃあ,やめた。うち,お金ないもん」と笑いながら言った。
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