合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて
周産期
出生前検査の妊婦への周知
保坂 千秋
1
,
浜之上 はるか
1
1横浜市立大学附属病院遺伝子診療部
pp.35-41
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210560
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●出生前検査は,「妊娠中に胎児が何らかの疾患に罹患していると思われる場合に,その正確な病態を知るために」実施される.出生前検査でリスク評価が可能な疾患は,先天性疾患の一部である.
●出生前検査のニーズが高まる一方で,医療機関などからの出生前検査に関する情報発信は限定的であり,妊婦らのニーズとの乖離を生んでいる.妊婦らのニーズを踏まえ,出生前検査のあり方について議論が進んでいる.
●妊娠・出産に関する包括的な支援の一環として,妊婦およびそのパートナーが正しい情報のもと意思決定を行えるよう適切に支援すべきである.そのために,妊娠初期段階の妊婦らへ誘導とならない形で,出生前検査に関する情報を提供していくことが適切である.
●遺伝カウンセリングでは,適切な情報提供を行い,相談者が率直な気持ちを表出しやすいように配慮し,正しい知識と広い視野をもってその人らしい選択をできるように支援する.
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