特集 これならわかる骨系統疾患とその周辺
各論
FGFR3異常症2:軟骨無形成症,軟骨低形成症
上妻 友隆
1
KOZUMA Yutaka
1
1佐賀病院産婦人科
pp.1631-1636
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001955
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はじめに
軟骨無形成症(achondroplasia:ACH)は,骨系統疾患のなかでも臨床上遭遇する頻度が高く,予後が比較的良好な疾患である。線維芽細胞増殖因子受容体3(fibroblast growth factor receptor:FGFR3)遺伝子の機能獲得型変異によって軟骨内骨化が障害され,特に長管骨において長軸方向の成長が妨げられる。日本では妊婦健診の際に大腿骨長短縮があるとACHが疑われるが,骨系統疾患には非常に多くの鑑別疾患があるため,診断は容易ではない。軟骨低形成症(hypochondroplasia:HCH)はACHと比較すると頻度は低く,出生後でも診断が難しい疾患である。
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