特集 周産期(産科)の手術の工夫―筆者はこうしている
子宮破裂の手術
前田 隆嗣
1
,
上塘 正人
1
MAEDA Takatsugu
1
,
KAMITOMO Masato
1
1鹿児島市立病院産婦人科
pp.1152-1156
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001690
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はじめに
近年子宮破裂の治療成績は著しく改善したが,突発的に起こることが多いうえ急速に出血性ショックを起こし,胎児死亡や妊産婦死亡につながる可能性がある1)。早急な児の娩出が必要である場合や母体の出血性ショック,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)のために迅速な止血が必要な場合,高次施設への搬送を行う時間的余裕がない懸念もあることから産科一次施設から三次施設までどこで起こったとしても緊急に対応せざるを得ない局面も想定される。したがって,外科的な対応の基本を習得することは,産科医にとってきわめて重要である。ただし頻度は稀であり,エビデンスを積み重ねるのは困難な状況である。このため本稿では筆者の経験や施設内での経験に基づいた考えうる対処法を中心に論述する。
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