連載 Medical Scope
子宮破裂をめぐって
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.539
発行日 1974年10月25日
Published Date 1974/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204761
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子宮破裂の症例を諸君は経験したことがありますか。分娩中の子宮破裂は是非その発生を防止するように管理しなければならないのですが,稀に発生し,私たちをあわてさせるものです。とにかく,母体の死亡率が非常に高いこともあるので,正確な診断と適切な処置がなされなくてはいけない産科救急疾患の第1にあげられるものでしょう。インドや東南アジアでは意外と分娩中の子宮破裂が多く,分娩1,200〜1,500例に1例ぐらいに発生し,その死亡率も非常に高くなっています。日本ではもっと少ないようです。私自身の経験では今までに4例の症例を経験していますが,これは非常に多くの経験をしているほうだと思います。
子宮破裂が分娩中に起こるのは何といっても分娩第2期が遷延している場合に多いようです。それに圧倒的に経産婦が多く,高年齢者に発生しやすいとされています。したがって,私たち産科管理者は分娩第2期の遷延傾向にある経産婦を注意しなくてはならないことがわかります。
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